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弦楽器のオトモ! Grace Design Felix2の導入雑感。

 

おはようございます。

 

 

 

先日、さらなるアコースティックサウンドの追求のため、プリアンプ

Grace Design Felix2』を購入しました。

最近ストレスが物欲に向かっている気がする

必要なものなので買いました!

 

 

 

 

「アコースティックなら機材いらないんじゃないの?」と思われるかもしれません。

しかしバンドで演奏するバイオリニストにとってはプリアンプは必要なのです。

このFelix2は何をしてくれるかというと、クリップマイクやピエゾピックアップで拾ったバイオリンの音をEQで整えたり、2つをきれいにブレンドしたりできます。

 

 

通常ドラムなどが音量の大きい楽器が入るジャズやロックなどのバンドでバイオリンが入る際、どうしても音量や音圧が足りないことが多いためマイクを使う必要があります。

しかし、いかに高性能なマイクでも生のバイオリンそのままの音を再現することは困難です。

 

 

ボディ本体に挟んでつけるようなクリップマイクは

本体の箱鳴りや繊細な音を拾うのに適していますが、反面周りの楽器の音も拾ってしまったり、

楽器のそばに取り付けるため近接音が発生(低音域が強調)するなど扱いが難しいといえます。

 

 

駒などに取り付けるピエゾピックアップのようなマイクは

直接駒の振動を拾い増幅するため周囲の音に左右されず、芯のある太い音を出すことができることが魅力ですが、

特定の高音域周波数が強調され少しざらざらしたピエゾ臭い音になりがちで、クリップマイクと比べ生音にあまり近くありません。

 

 

プリアンプはこのようなマイクの音をEQなどで補正、増幅し、より綺麗な好ましい音に「戻す」ができます。

Felix2では上記2種類の、いわば「いいとこどり」ができるのです。

エフェクターと少し違うのは主にそのようなところです。

エフェクター音を歪ませたり加工して変化させることを目的とするのに対し、プリアンプはより原音に近い状態に戻したり、使用しやすいレベルまで増幅することを目的とすることが多いです。

 

 

 

 

さて、Felix2が届いてからまだ数日触った程度なのですが、雑感としては

本当にかゆいところまで手が届く機能が充実している印象です。

 

ch1と2それぞれに

low(低域),mid(中域),high(高域)の調整ノブがついています。

l

owは~125Hz付近、highは1~2kHz~。どちらもシェルビングタイプのようです。

 

Midは設定で70~880Hzか、670~8kHzのどちらかで使用可能です。

Qノブもあり、上げると効果のある周波数域の範囲をより絞りピンポイントで適用できます。

 

またハイパスフィルターorノッチフィルターも両Chに搭載。

20~1Khzを選択しそれ以下の不要な周波数をカットできます。

 

ハイパス=highを通す=ロー、ミッドカットができるイメージですね。

クリップマイクやピエゾで拾う膨らみがちなボワンとした低域を削るのに役立ちます。

 

 

 

それぞれのEQで整えた音をMIXノブで細かくブレンド調整をします。

これがめちゃくちゃ使いやすくてうれしい。

もう少しクリップマイク寄りの音で、とか

ピエゾの音を増やしたらどうなるかな、とか

気軽に聴きながら調節できます。

 

 

2Chのブレンドだけでなく、モードを切り替えればA⇔Bの2Chを別々に切り替えで使用することもできます。

違う楽器2つをつないでおいて使い分けることもできますね。

切り替えモード中は左下のフットスイッチでA、Bを切り替えます。

 

 

また、ブレンドの際に役立つ各Chの位相反転スイッチと位相調整ノブがついていて、2つのマイクを使用した際に位相のかぶりによって音が減衰する現象をこれらで回避できます。

特に位相調整ノブは気休め程度かなと思っていましたが思いのほか聞こえ方が変わりました。

ピエゾのほうがクリップマイクよりも音を拾うタイミングが早いので、このノブで少しだけ信号を遅らせます。

とはいえ二つのマイクが拾う波形は少し異なるのでざっくりでも良さそうです。

 

 

アコのマイクだけでなくエレキ、エレアコバイオリンをつないで使用しても効果大です。

EQの効きが非常によく、芯のしっかりした存在感のある音を作ることができます。

 

 

そして何より弦楽器奏者として嬉しい機能が、DIアウト2つと別にアンプアウトがついていて、片方のChの音だけ送り出せる点。

どうしてもクリップマイクを使うとモニターからのハウリングが気になりストレスになりますが、

外音用へのスピーカーは両Chのブレンド音を、

中音用へのモニターにはCh2のピエゾの音のみを返すことによって

クリップマイクの音が返ってくることによるハウリングや、周囲の音を拾って意図しない増幅をすることを防ぐことができます。

この機能が一番欲しかった・・・!!

 

 

他にもブースト、ミュートのフットスイッチやステレオ対応のセンドリターンなどプリアンプとして必要なものが集約されています。

おそらくもう弦楽器用のプリアンプを買い替えることはないであろうくらい満足しています!

 

 

 

 

またしばらく使い続けて慣れてきたら試奏や詳細な比較動画など作ってみたいと思います。