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MIDIバイオリンについての個人的見解

こんにちは。

以前に書いたMIDIバイオリンに関する記事がちょこちょことご覧いただけているようで、

同じように興味のあるバイオリニストの方々がいらっしゃるのかもしれません。

 

ずっと続きを書きたかったので、今回はMIDIバイオリンに関する考察などを書いていこうと思います。

改めてMIDIバイオリンに関する情報を簡潔にまとめます。

 

MIDIバイオリンの写真がこちら。

海外のElectric Violin Shopにて販売されているものです。

 

 

MIDI端子がついていることが最大の特徴ですね。厳密に言うとMIDI Outになっています。

ここにMIDIケーブルを接続し、音に関する情報をMIDI信号として外部に出力します。

これは通常のエレキバイオリンではできません。

 

見たことがなくて当たり前なのですが、日本では取り扱いされていないようです。

以前日本国内でエレキバイオリンを扱う最大手の東京クロサワバイオリンエレキバイオリン館にお邪魔して確認しましたが、通常のエレキバイオリンはたくさんあるもののこちらは一つもありませんでした。

店員さんのおっしゃるには他店でも取り扱っているところは聞いたことがないそうでした。

 

 

より詳しい内容については以前書いた記事(https://jazzviolin-t.jimdo.com/midiviolin/)をご覧ください。

今回はこちらに関する考察や希望などを書き綴っていきます。

 

 

 

現状のMIDIバイオリン

国内にない以上は海外から情報を得るしかありません。

こちらの動画でMIDIバイオリンについて英語で解説しています。

要点をいくつか抜粋。

 

①基本的なMIDIパラメータのpitch(音程),intensity(強弱),duration(長さ)が送信可能

②倍音によって意図しないMIDI信号が送信される可能性がある

③外部MIDI音源の種類によっては強弱で違う音色になったりする場合がある

④ドラムやキーボードなどの音色を使う時はピチカートのほうが反応しやすい

 

・・・などなど。

基本的な概念はMIDIコントローラーと一緒なので、外部音源に依存する部分が多いのは当然ですね。

動画ではギターシンセで使用するGR-55を音源として使用しています。

つまり音源がしっかりした音になっていないとMIDIバイオリンでどう弾いてもしょっぱい音しか出ません。

 

 

シンセサイザーにはMIDI端子が搭載されていることが多く、例えばElectribe Samplerも付属のコネクタをつけることでMIDI入出力が可能です。

 

 

このMIDI InにMIDIバイオリンをつなげば、MIDIバイオリンを操作することでElectribe Samplerの音源を鳴らすことができます。

(実物がないので試せてはいませんが、MIDIキーボードでいけるのでおそらく可能)

 

MIDIバイオリンはエレキバイオリンとしても使えるので、

楽曲を演奏する際に基本的にバイオリンの音、たまにシンセの音を出したりなんて切り替えることもできそうです。

ソロパフォーマンスするときなんかに面白そうですね!

 

そしてそのような使い方を考えたときにMIDIバイオリンにできてほしいことがいくつか思い浮かびまして、

 

・MIDIチャンネルの切り替え

・ベロシティの統一化

・プログラムチェンジの送信

 

などですね。動画を見る限りおそらく現状のMIDIバイオリンではできなさそうですが・・・。

 

 

MIDIチャンネルの切り替え

 

MIDIバイオリンをMIDIコントローラーとして考えるならば、この機能があると便利ですよね。

送信側と受信側のMIDIチャンネルを合わせることで鳴らす音源を瞬時に変えたりすることができます。

Electribe Samplerなんかも1~16チャンネルそれぞれに音色を設定する形式なので、

一緒に使う際にパパっと切り替えられたら実用性がありそうです。

 

 

ベロシティの統一化

バイオリンという楽器はシンセの音作りの時に重要になる

アタック(音の立ち上がり)、ディケイ(持続音までの時間)、サスティン(持続)、リリース(減衰)

を弓でコントロールできるのでシンセとの相性は悪くなさそうです。

・・・が、あえてパーカッシブなサウンドを出したいときなどには一定のベロシティで出力できる機能もあったほうがコントローラーとしてはありがたいですね。

 

 

プログラムチェンジの送信

これはMIDIキーボードと比較した際に出来たら便利かなーと思ったくらいです。

他の機材で十分カバーできそうなのでなくてもいい。

 

 

 

・・・とシンセを使って思ったのはこんな感じです。

バイオリンとしての良さとMIDIコントローラーとしての使い勝手の良さが両立したら最高ですね。

日本国内で生産されていないのはバイオリニストからの需要があまりにも少なすぎるのでしょう。

 

 

一時海外から取り寄せて購入しようかと思ったのですが、上記の点が不明なため踏みとどまりました。

色々実験してみたいのですが、現状あまりにも手間と経費がかかりすぎる・・・

MIDIバイオリンに興味のある同じような変態・・・いや仲間を募って共同プロジェクトとかできないかなあ。

 

 

MIDIバイオリンに関する情報、随時お待ちしております。